競馬界のエージェントの存在
現在の競馬界におけるエージェントの存在はとても大きなものになっています。
競馬エージェントは現役の記者などを含み、競馬においてのプロフェッショナルが行っており、厩舎に所属する競走馬に関しては調教師の方が把握しているかもしれないですが、中央競馬全体の事に関しては競馬エージェントは調教師や騎手などよりも熟知していると言ってよいでしょう。
競馬エージェントは競馬を見る目において、調教からレースまでを通じて一流で、複数の有力馬から騎乗依頼が来た時に、
実際にはどの馬が一番実力があるのか?
その馬の調子はどうなのか?
レース展開やコース適性などがどのような影響を与えるのか?
騎手と馬の相性は良さそうなのか?
など、競馬においてのさまざまな事を把握して独自に分析して判断を下して結果を残していく必要があります。
腕の良いエージェントには調教師とも抜群の信頼関係を築いていて、騎手の騎乗依頼だけではなく、レース戦略の相談から競走馬の出走レースやレース出走を通じての育成相談などを受ける事などもあります。
騎手も当然、より強い馬に乗る事が結果を出す為の一番近道となっていて、腕の良い競馬エージェントに仲介を依頼する事により多くのメリットがあります。
それまで良い成績を残していて、急に騎手の結果が伴わなくなる、スランプに陥ってしまう事があるのは、競馬エージェントから強い馬を回してもらえなくなった。
という事が理由のケースも多く、調教師もエージェントとの間にどれだけ付き合いや信頼関係を築いたとしても、本当に強い馬をレースに出走するときには万全の状態に仕上げる事ができなければ、エージェントから希望する騎手の騎乗依頼の仲介を受けてもらえません。
こうした事から腕のある競馬エージェントには、必然的に強い競走馬と腕のある騎手が自然と寄ってきて、レースの勝敗に関わる馬と騎手との組み合わせもエージェントの判断でほとんどが決まり、競馬エージェントは現在の競馬界で大きな影響を与える存在となっています。
立場的にも、腕良い騎手と力のある馬が寄ってくる敏腕エージェントは騎手や調教師とも対等以上の力関係となっていて、騎乗依頼をするにあたり騎手や調教師がエージェントに対して頭を下げてお願いするケースもあります。
現在の競馬界のおいては競馬エージェントが中核を担っているといっても過言ではないのです。
もちろん競馬エージェントも格差があります。
現在のJRAの規則では競馬エージェントは担当できる騎手が3名+減量1名と決められています。
競馬エージェントの制度ができてから騎手も格差が拡大したいて、最上級のグレードのG1競争においては、東西どこの競馬場でやるかにも関わらず、おおよそ騎乗する騎手は固定されてきています。
また競馬はひとつの開催する競馬場で1日12レース行われます。その全12レース中、G1にも騎乗の常連となっている一流騎手は多くのレースで有力馬に騎乗しますが、一流に入れない騎手たちは一日数レース程度しか騎乗する事ができないのです。
その結果中央競馬で現役騎手は総勢100名以上いるのに対して、そのうちのリーディング上位20名ほどで、ほとんどの勝利数や有力馬への騎乗依頼をほとんど占めてしまっている状況となっています。
このおおよそ上位20名に入るような競馬エージェントには大きな影響力を持ち、トップレベルの競馬エージェントは一人でトップレベルの騎手を複数抱えています。
その反面、競馬エージェントでも敏腕騎手を担当する事ができず、競馬エージェントとしての成績も振るわないと、当然入っていくる情報量も少なくなり影響力も小さなものになります。
このように競馬エージェントには厩舎や騎手と同じように格差も生じていて、競馬界におけるエージェントの存在の大きさも、一部の一流エージェントだけが特別な扱いになっています。