コース適正
競馬には、右回り・左回りの他にもそれぞれのコースによって多くの特徴があります。
例えば、現在の中央競馬で一番最後の直線が短いのは函館競馬場で262mとなっており、一番長い直線を誇る新潟競馬場の外回りコースは最後の直線は658.7mにも及びます。
また新潟競馬場の場合は国内唯一となる1,000mの直線コースもあり、同じ距離のレースでも競馬場のコースによって大きくその特性は変わってきて、レース結果にも大きな影響を与えます。
コースの特性は直線距離や右回り・左回りや直線の距離だけではなく、高低差や、芝などの要因も大きな影響を与え、気候や移動距離などといった要因もレースに影響を与え、有利・不利の問題が出てきます。
その中でも高低差は競走馬に与える影響は大きく、有名なのは東京競馬場で、函館の2倍以上の525.9mの直線があり、コース全体の高低差は2.7mで最後の直線に心臓破りの坂とも呼ばれる長い上り坂があるのが特徴です。
こういった坂登りを得意・不得意とする馬も多く、人間でも重たい物をもって、坂を登ったり階段を昇ったりすると、持っている荷物が重く感じるように、斤量差が与える大きさというのも、高低差があるコースと少ないコースとで若干ですが変わってきます。
新潟や、東京の長い直線や、東京のレース最後の直線で長い上り坂があるコースなどは、差しや追い込みの、前半に体力を温存して最後の直線で勝負する馬が有利で適性が高いと言われております。
また直線が長いコースでは、展開によって変わる要素も少なく、それなりの実力がないとなかなか勝てないという特徴もあります。
逆に、札幌や函館などのように、直線が短くて小回りのコースは、逃げや先行が有利とされています。
後ろからレースを運ぶ、差し・追い込みは直線に入ってから勝負をかけるには距離が短く、第3コーナーから第4コーナーにかけて、勝負を仕掛けなくてはならず、コーナーの途中でしかける、いわゆる、まくりになると、外側を通る距離的な不利もありますし、コーナーの角度がキツいのでスピードにも乗りにくいという難点が有ります。
ですので直線が短いコースと長いコースとで、外枠の不利の大きさも変わってきて競馬場によって、重要なポイントというのは変わってきます。
気候も人間が、ある程度湿気があって、暖かい所じゃないと身体を全開で動かせられない人もいれば、北海道のように夏は気温こそは上がりますが、比較的涼しくて湿気の少ない気候を好む人がいるのと同じように、馬にも好きな地域の気候などもあります。
また、競走馬はレースの都度に専用輸送トラックで、競馬上に輸送され、拠点となるトレーニングセンターなども兵庫県の栗東と茨城県の美浦と2箇所あり、こういった拠点からの移動距離が短い方が馬の負担は少なくなります。
こういったさまざまな要因でコース適性は変わってきて、中には、極端に得意なコースがある馬もいますので、コース適性については、過去のデータを分析するときにどこか良いレースをしたときと悪いレースをしたときのデータを見極めて、共通点がないか?など探してみるのもいいでしょう。
苦手のコース適性があると、馬自体が真面目に走らないケースもあるので、コース適性で問題がなさそうか?というのも確認しておく必要があります。