競走馬の距離適正
競馬のレースにおいて、距離とはとても重要で、レースごとにさまざまなレースの設定をされています。
現在の中央競馬は基本的に短い距離で1,000m、長い距離で3,600mが中心となっていて、障害競走などでは4,000mを超える長距離レースなどもあります。
競馬の距離ではハロンとマイルという単位を使う事も多くハロンとはイギリス競馬で距離を示す単位で1ハロンあたり201.168mとなっていて、おおよそ200mとされ、現在の日本の競馬場も200mごとにハロンを設置しているケースが多く、ハロンごとの通過タイムを計測しており、特にゴール前の3ハロンや4ハロンを上り3F・上り4Fと表現され、ゴール手前の600mや800mなどのタイムなどは競馬の予想データなどでも重要なタイムとなってきます。
マイルは英語での距離表記になり1マイルは1.609mとなり約1,600mという数え方をされています。
競馬にはさまざまな距離があり、長距離や短距離という表現を英語で長距離はstay stayingと表現し、長距離を走る馬の事をステイヤーと呼ばれています。
短距離は同じく英語でsprintと表現し、短距離で能力を発揮する馬の事をスプリンターと呼ばれています。
どこからが長距離でどこからが短距離かというのは時代とともに変化しており、昔は競馬の長距離化で、ステイヤーは4,000mや5,000mを勝つ馬で1,800や2,000mを走る距離のレースを得意にする馬をスプリンターと呼ばれていました。
近年では、短距離の定義は1,300m以下とされ、ステイヤーと呼ばれる距離は明確な決まりはないですがおおまかに2,400m以上の事をいうのが一般的となってきました。
最近ではスプリンターやステイヤーという称号は、短距離や長距離のレースで勝つ馬ではなく、短距離しか走らない馬や長距離しか走らない馬など、その距離に専門性がある馬の事をそれぞれスプリンターやステイヤーと呼ぶ傾向も出てきております。
また、1,600mの距離を得意とする馬の事をマイラーというふうにも呼ばれていて、マイラーはスプリンターからステイヤーまで幅広い距離の実績がある馬が挑戦する傾向もあります。
競馬というのは、距離適性というのが重要になり、どんなに強い馬でも距離適性が合わないと勝つことは難しく適性に合った距離のレースで走るというのはとても重要になってきます。
競馬の距離適性で一番大きな影響を与えるのが血統になります。
父や母が得意にしていた距離がそのまま、子供にも影響を与える事が多いのです。
父や母だけでなく、祖父や祖母にあたる代々の過程の血筋がそれぞれの馬の距離適性へと影響を与えていきます。
もちろん、血統に反して、幅広い距離を得意とする馬もいますが、初挑戦の距離を走る時などは、その血統から距離適性があっているのか、不安が大きいのかを予想します。
最近の有名の種牡馬といえば、サンデーサイレンスですが、サンデーサイレンスは現役時代も幅広い距離を得意とする万能タイプだったと言われております。
さらに母の距離適性を引き出させる特性があり、最近では追い込みのスプリンターとして記憶に新しいデュランダルから、天皇賞(春)や菊花賞などの長距離G1も制したスプリンターのディープインパクトなど幅広い距離で活躍する子供達がいます。
血統から距離適性や馬の実力を判断するには、父・母の現役の頃の実績だけではなく、それぞれの配合の相性のよさも重要になってきます。
競馬で大穴などの人気がない馬が勝つときと要因としては、距離やコースが変わって、一気に才能が開花するケースなどもあり、血統的には不安が強い距離でも、周りの予想に反してその距離にはまってしまう事などもあります。
最近の傾向としては1,200mなどを得意とするスプリンターは1,400mくらいまでは同じく距離適性がよく、力を発揮できる馬が多く、1,600mのマイル戦になれば力を発揮できる馬と距離適性が合わなくなり、力を出せない馬で別れてくる傾向があり、中には1,200m〜1,800mくらいまでの幅広い距離を得意としている競走馬もいます。
ステイヤーズステークス(3,600m)や天皇賞(春)や菊花賞のように3,000mを超える距離でも活躍するステイヤーは、2,400mでも力を発揮できるケースが多く、2,000mでも対応できる馬が多いですが、1,800mなどになってくると、距離適性が合わずに適用できない馬も多くなってきます。
中にはステイヤからマイラーに転向して才能を発揮する馬などもいます。
最近の競馬では1,300m以下のスプリントから3,000mを超える長距離戦を戦える万能タイプはいませんので、競馬の予想をする際は距離適性をしっかり把握しておく必要がありその距離のデータが少ない場合は血統が重要になります。