状態が現れる馬体重の増減
馬体重の増減は前回のレースから比べての馬の状態を見極める材料になりますが、これは一概に増えていればいい、増減が少なければいいというものではなく、単純に他のデータやパドックの情報などと合わせずに、馬体重の増減の数字だけを見ても、何の材料にもならない情報になってしまいます。
ですが、さまざまな要因やデータなどを見る上での参考材料にするにはとても重要な情報となります。
まず、馬体重の増減を見る上で、最初に考慮すべき情報はその馬の体格です。
競走馬は同じレースに出る馬でも400kgを切るような馬から、500kgを超えるような大きな馬までいます。
小さくて軽い馬と、大きくてしっかりした体格の馬は、それぞれ長所・短所があり、どちらの方が有利とか、どういった体格をした馬が強いというのはあまりありません。
もちろん、馬によって、短距離向きや長距離向き、芝向きやダート向きの体格や筋肉の付き方はありますが、総体重自体は、その馬の体格に合っているものであればさほど重要ではないのです。
ですが、増減については、体重が重い馬の方が当然分母が大きくなるので、若干は体重の増減がしやすくなります。
同じ体重の増減がマイナス10kgだとしても、300kg台の馬と500kg台の馬では意味が若干違ってきます。
前回のレースのときの体重も、その前回のレースの時の馬の状態はさまざまです。
前回のレースで入れ込みすぎていた場合は体重は増えた方がいいですし、絞りきれていない馬は体重を少し減らして調整させていた方がいいです。
またレース間隔も影響を与え、レース間隔が短くなってくると、当然体重も減少してくる傾向があり、レース間隔を短くして出走してきたのに、体重が極端に増えていると調整が遅れた可能性が大きくなります。
夏と冬といった季節的な要因もあり、当然夏は体重を落としやすく、冬は体重が落ちにくくなり、2歳馬・3歳馬のような若い馬は成長が止まっていない馬も多く、身体が成長して大きくなれば当然、馬体重も増えていきます。
馬というのは、人間に比べても体が大きく、汗もかきやすい動物ですので、ちょっとした要因で馬体重というのは増減してきます。
調教などのトレーニングで体重が落ちるのはもちろん、ストレスが溜まっている馬は体重が増えたり、減ったりする事もあり、輸送時間が長いと、輸送の間だけで体重が減る事もあります。
ですので馬体重の増減を予想の材料にするには、調教師の思惑通りにこの体重に導かれたのか、それともこういった調教師などの陣営の意に反して体重が増減してしまったのか?を見極める事が大事です。