血統から馬の特徴を導き出す
競馬の適正距離は血統によって、ある程度の適正を導き出せます。
主に競走馬の距離適正は種牡馬(父親)からの遺伝子を受け継ぎやすいと言われていました。
種牡馬が得意としていた距離や同じ種牡馬で他の馬の距離適正からも得意にしている距離や不安になってくる距離の目安を導き出す事ができます。
一昔前はこういった種牡馬からの遺伝が目立ちましたが、徐々に好配合を組み合わせていく中で、この距離適正は種牡馬からの遺伝というセオリーも絶対ではなくなってきました。
有名なのが、中央競馬会歴代ナンバーワンの種牡馬とも言われているサンデーサイレンス産駒の馬たちで、サンデーサイレンスは優秀な種牡馬で名馬を多く送り出しただけではなく、母親が長距離を得意としていたステイヤーだろうが、短距離中心のスピリンターだろうが、どのような特徴の馬でも万能に配合し、母親の距離適正を子供に受け継がせました。
このような特性からサンデーサイレンス産駒は短距離から中距離・超距離まで多くの名馬が誕生しました。
近年はサンデーサイレンスほど極端に万能な種牡馬はいませんが、血統の配合によっては、父親の遺伝子を多く受け継がせるケースと母親の遺伝子を多く受け継がせるケースもあります。
血統から距離特性を見る場合には、種牡馬・繁殖牝馬それぞれの得意距離と産駒の傾向を参考にしていく必要があります。
競争馬の毛色のページでも紹介してますが、一説によると父親の毛色を引き継ぐか母親の毛色を引き継ぐかで、どちらの遺伝子を多く受け継いでいるかの目安になるという仮説も有名です。
また、父親か母親のどちらかの遺伝子を多く受け継いで得意な距離適正があったとしても、もう片方の親の遺伝子が若干の距離をカバーするケースもあり、
例えば、1,000mや1,200m専門のスピリンターの種牡馬で、その遺伝子を引き継いで短距離で好走していたとしても、母親が1,600m〜1,800mなどの中距離を得意としていた場合、一番得意な距離は父親が得意としていた1,200m以下の距離でも、母親の遺伝子がカバーをして1,400mまで得意として、マイルもレース展開次第では好走する能力を兼ね備えているケースなどもあります。
ですので、距離適正はどちらの遺伝子をとっているかだけで決めつけずに見る事も時には必要になります。
距離適正などを測る血統表の見方は近年変わってきており、それまでは適正はまず一番多くの遺伝子を受け継ぐ父の特徴を見るのが一般的ですが、近年になって競争馬の遺伝子は父よりも母の遺伝子の影響を多く受けるという発表もされました。
科学的な根拠のもとでの発表なのですが、この発表がされた時はサンデーサイレンス産駒が活躍していた時期でもあり、サンデーサイレンスの影響でこのようなデータになったと主張して父親の遺伝子を軸で分析を続けている血統鑑定師もいます。
他にも、母親の遺伝子ではなくて、母父の特徴が受け継がれる事が多く、祖母の父くらいまで、距離適正の遺伝子は関係しているという説などもあります。
まだ現時点では、血統で一番多く受け継がれる遺伝子とはなにか?という質問に多くの競馬ファンや関係者が口を揃えて言える結論はありませんが、ひとつ言える事は血統による距離適正の診断は好配合の繰り返しにより、年々分析が難しくなっている傾向もありますが、血統によって、距離適正にも大きな影響は与えています。
血統から遺伝されるのは、距離適正だけではなくてスピードやスタミナ・気性などさまざまな分野を引き継ぐ事ができます。
そうすることにより、必然と走るスタイルが遺伝により確立されていき、得意なコースや競馬場も親に似てくるケースがとても多いです。
例えばスピード型かパワー型かといったものなども遺伝によって引き継がれます。
そうすると必然的に得意とする競馬場や距離も似てくるのです。
競馬場などのコースだけではなくて、根幹距離の得意・不得意なども引き継ぐケースもあります。
こういったスピードやパワー。走るスタイルも引き継がれる事によって、得意コースも必然的に得意なコースをそのまま引き継がれる形になります。
こういった事から短距離か長距離か?という単純な話ではなく、距離別やコース・競馬場別でも血統による遺伝で得意にしているかもしれない?相性が良いかもしれない。
などの予測やパワーがある。スピードがあるなどのスタイルも推測していく必要があります。
こういった走り方や特性のスタイルなどの遺伝を理解する事で、得意な距離だけではなくてコースや馬場状態などの適正も血統から見えてくる事ができます。