競走馬の性別表記「セン馬」
セン馬とは去勢された牡馬の事を言います。
馬の去勢は家畜をしていた頃から行われていてとされ、競馬において、競走馬から乗馬に転用される場合に去勢手術をさせる事が多く、
競走馬→種牡馬→乗馬という流れでも去勢手術するケースもあります。
去勢をすると繁殖期に発情しなくなったり、気性を穏やかにして扱いやすくする効果があります。
競走馬においても去勢をして競走において扱いやすくする為に去勢をさせる例もあり、去勢をした牡馬は競馬の性別表記でもセン馬と表記されるように変わります。
セン馬になっても当然牝馬限定レースに出る事はできず、牡馬と同様に牡馬・牝馬混合レースにのみ出走できます。
ですが、去勢をしてしまうと引退後に種牡馬になる事はできず、育成段階の早い段階で種牡馬になる事はできないなどと見切りを付けられた一部の馬のみがセン馬になる傾向があり、クラシックレースなどは優秀な種牡馬や繁殖牝馬の選定競走という意味も含まれていて、セン馬は出走できない取り決めをしている国も多いです。
日本の中央競馬においても2歳〜3歳の全てのG1競走にはセン馬は出走できない決まりになっています。
ですが一部のクラシックのトライアルレースではセン馬の出走が認められているケースもあります。
2007年までは天皇賞も出走できませんでしたが2008年からはセン馬も出走できるように変更になりました。
日本では現役の競走馬を現役中に去勢手術する事は極めて少ないですが、障害へ転向する馬は危険を減らす為に去勢するケースは逆に多くなり、気性を落ち着かせて扱いやすくして安全性を確保するほか、去勢する事でスライドを大きくするという効果もあります。
近年はビッグレースでセン馬の活躍はめだってませんが、歴代ではマイルチャンピオンシップを制して、今でも名馬として知名度も高いトウカイポイントやジャパンカップを制したマーベラスクラウンやレガシーワールドなど、セン馬で実績を残してきた名馬もいます。
また世界では香港やシンガポールは馬産を行わない国もあり、こういった国はほとんどの牡馬を去勢してセン馬として競走馬にしている国もあります。